防水工事
防水工事の目的は、屋根、屋上、ベランダ、その他各部の防水層の形成や外壁に入ったひび割れを修復して雨水の浸入を防ぐことです。
屋根や屋上、バルコニー、ベランダといった場所は平らな面が多いため水はけが悪く、浮きやひび割れ、膨れなどがでてきやすく、そのまま放っておくと雨漏りの原因となってしまいます。
防水工事は新築時に限らず、定期的なメンテナンスによる改修工事や雨漏りなどによる修繕工事としても実施されています。施工場所や用途によって、様々な防水材を用いた施工方法があります。主なものとして、ウレタン防水とFRP防水、塩ビシート防水、ゴムシート防水、アスファルト防水という種類が挙げられます。
ウレタン防水
塩ビシート防水
FRP防水
防水工事をする主な目的
■ 建物の強度を保つ
漏水は建物全体の耐久性を著しく低下させてしまいます。水が建物の内部に入り込むと、木造では建物を支える柱や梁が腐ってしまいます。防水工事の目的のひとつは、水が建物の内部に入り込まないようにして、建物の強度を保つということです。
■ 建物の外観や内観を保つ
雨水は建物内外のさまざまな部分に染みや変色を生じさせて見た目を損ねます。防水工事を行うことで、建物の美しさや機能を保ちながら経年劣化を防ぎ、美観を保つことができます。
■ 人体に影響を与えるカビを防ぐ
漏水していると、その周辺でカビが発生し、ぜんそく、ハウスダストなどのアレルギーを引き起こすこともあります。防水工事は、安心・安全に暮らしていくために欠かせないものなのです。
防水工事の種類
アスファルト防水工事
最も古い防水工法で信頼性も高いと言われています。皆さんご存知の道路を舗装するアスファルトを利用しています。アスファルトを高温で溶かしたものを流して固めるのが一般的でしたが、火を使って工事に危険が伴うため、様々に改良された工法があり、その中にはシート状になったものをトーチ(火)であぶって貼り付けるトーチ工法などがあります。新築の屋上防水に一番よくつかわれる工法です。
ウレタン防水工事
ウレタン樹脂を化学反応で硬化させて防水層を作る工法です。ペンキなどと同様に塗布して施工するだけなので手軽だと思われるのですが、塗料と違って防水の機能を十分に発揮するための厚みを出す必要があり、施工には技術が必要です。また化学反応の際に有害物質が発生するという問題がありましたが、現在はそれらの有害物質を配合していないウレタン防水材も発売され、ますます便利になっています。
塩ビシート防水工事
塩化ビニルで作られた防水シートを貼って施工する工法です。工場ですでに防水機能が完成されているため防水機能及び品質が安定しているのがメリットです。逆に成形された状態で出荷されているため、形状が複雑な場所に施工するのが困難になります。形や幅が決まっているので、共用廊下や階段などによく利用されています。
FRP防水工事
FRP防水はガラス繊維などで強化されたプラスチックによる防水工法です。出来上がると硬くて軽いので、一般的にはお風呂や船などにも利用されている信頼性の高い工法です。ベランダ、バルコニーなどの防水によく利用されています。
コーキング工事
コーキング工事は建物を守り人を守ります。
外壁補修とは、建物の壁を補修・修理する工事のことで、建物を長持ちさせるために必要な工事です。
外壁の寿命は10年といわれており、タイルやモルタルは気温の変化や経年劣化により、剥がれ落ちたり、浮いてきたりすることがあります。
剥がれや浮きをそのままに放っておくと重大な剥落事故につながる恐れがあるため、迅速な改修工事が必要です。
また、外壁の見た目をきれいに補修するという目的もありますが、ひび割れから建物内部に雨水が侵入して腐敗する恐れを防ぐという役割も担っています。
外壁改修工事の種類
■ ヒビ割れ補修
外壁のヒビ割れ(クラック)は、あらゆる箇所に生じることがあります。 モルタル自身の温度差による伸縮や、車輛の振動及び地震の影響によりクラックは発生します。放っておくと内部に水が入り、建物構造材が腐食してしまうので早めの補修をおすすめします。
■ 美観修繕
外壁の鉄部の腐食面に付着するサビ色の鉄粉・シーリング材のブリード(にじみ)など、塗膜や凹凸部に付着・堆積した汚染物質が雨水などの水滴により運ばれ、筋状に汚れてしまいます。
■ 剥離補修
外壁から塗膜が剥がれ落ちたり、浮いてきたりする現象を剥離と呼びます。 経年劣化や塗装前の下地処理不足、塗膜表面のひび割れなどが原因で素地と塗膜の間において付着低下を引き起こすことで発生します。 剥離している箇所から建物内部に雨水が侵入して腐敗してしまうので早めの補修をおすすめします。
■ 目地割れ補修
シーリング工事とは、コーキング補修とも呼ばれる工事で、建物の目地や隙間を補修する工事です。 シーリング材は、建造物の気密性・水密性を保つために非常に重要な役割を果たすものなので、改修工事の際は増し打ちなどシーリング材の補填を行うことをおすすめします。 こちらも建物内部に雨水が侵入して腐敗してしまうので早めの補修をおすすめします。